説教題「神のあわれみを具現化するお方」
聖書 ルカの福音書7章36~50節
イエス様の当時、イスラエルの人々は神の国とメシアを期待していましたが、彼らの望む王国はローマ帝国を打ち破る強国であり、メシアは剣をもって先頭に立つ戦士でした。しかるに、神の国の福音を語るイエス様は、彼らの求める像とは異なることが明らかになって来ました。キリストは貧しい者、弱い者をあわれみ、敵をも愛することを説くお方であり、剣を取ろうとする気配はありませんでした。そのような中、ある時キリストはパリサイ人シモンに招かれました。
- 罪の女のふるまい
食卓についたイエス様のもとに一人の罪の女が来て高価な香油をイエス様の足に塗りました。そのしぐさは真心がこもっていました。しかしその光景をみたシモンは嫌悪の情を抱きます。
イエス様はシモンに一つのたとえ話をしました。それは金貸しから借金をして帳消しになった二人の話ですが、イエス様が問うのはその二人のうちどちらが金貸しを愛するようになるかということでした。シモンはより多くを帳消しにしてもらった方と答えますが、実はこれは罪の女とシモンとの比較であることが分かります。
- 神のあわれみのゆえの赦し
イエス様は、罪の女が多く愛したことのゆえに、多くの罪を赦されていると語り、罪の女に「あなたの罪は赦されています」と宣言されますが、実のところシモンも罪人であるという点では同様の身でした。
先ほどのイエス様のたとえ話で言うと、二人の借金は多かれ少なかれ同様であり、それらが帳消しになったのはただ金貸しの側のあわれみのゆえだったのです。
ここで言えることは、イエス様は神のイスラエルに対するあわれみを具現化するお方としてこの地上においでくださったということです。実に神の国はつるぎではなく、主のあわれみのみわざ、即ち十字架の贖いによってもたらされる世界なのです。これを知るわたしたちは、あわれみ深い主を心よりあがめ、その御後にお従いしてまいりましょう。
