説教 「聖誕の夜の大いなる賛美」2023年12月24日
聖書 ルカの福音書2章1~16節 クリスマス賛美礼拝
(序)本日は、クリスマス賛美礼拝です。救い主の誕生を心から、お祝いいたします。ベツレヘムの馬小屋でマリヤより生まれたみどりごは、布にくるまれて飼葉桶に寝かされました。その夜、ベツレヘムの野に野宿して、羊の番をしていた羊飼いたちに、御使いが現われ、救い主誕生の良き知らせを告げました。その時、主の栄光がまわりを照らし、御使いと一緒に、多くの天の軍勢が現われ、「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように」と賛美しました。この御使いたちによる賛美は、①栄光と平和、②神と御心にかなう人々、③天と地という互いに対となる3つのことが対比されて歌われています。本日は、この御使いや天の軍勢による賛美に的を絞ってお話するように導かれています。
- 栄光が、神にあるように
さて14節に「いと高き所に、栄光が、神にあるように」とありますが、「神の栄光」とは何でしょう。フリーゼンは、「神の栄光は、神の本質の放射する力であって、いわば神の隠れた聖が外面にあらわれたものだ」と言っています。すなわち、主なる神の光輝く聖と変わることのない永遠の愛というご本質が輝きだしたものであり、それは神の救いの歴史の中で、恵みとまこととして輝きだしているものです。
ここ14節に関して、18世紀ドイツの福音的聖書学者ベンゲルは、「神の栄光とは、救済の奥義そのものであり、その結果と成就である」と言っています。特にここでは、キリストの受肉が、神の栄光を賛美する契機となっています。
私たちも、御使いたちと共に、「いと高き所で、栄光が神にあるように」と賛美をささげましょう。神様は、このクリスマスに、御子イエス・キリストの受肉降誕という、大いなる救いの御業をなしてくださいました。
様々な困難があった中にも、神様は、この年、御手を差し伸べ、大いなる御力を示し、栄光を現わし、私たちを導いて下さいました。私たちは、この神様の栄光の御業を感謝し、すべての栄光を神におささげして、賛美をおささげしましょう。
- 地の上に平和があるように
さらに14節に、「地の上で、平和が、みこころにかなう人々にあるように」とあります。昨年そして今年と、新型コロナウイルス世界的感染拡大によって、危機的状況にあった4年間であり、ウクライナやパレスチナで戦争が起こり、誠に不安定な世界情勢でしたが、私たちは、幸いにもクリスマスコンサートを3年続いて開催でき、多くの新しい方々がお出で下さったことを感謝しました。来るべき年には、真の平和が一人ひとりに訪れますようにと祈ります。
主イエス・キリストは、平和の君として来てくださいました。この方によって、神の平和が与えられたのです。「平和」とは、シャロームと言いますが、それは、「欠けのない満ち足りた事であり、内からほとばしるいのちの盈満」です。それは、神との関係から始まって、すべての人間関係、経済的な繁栄へと及んで行きます。すなわちすべてがこのシャロームの一言で表されるのです。世界の平和、国の間における平和、隣人との平和、家庭の中における平和、このクリスマス、すべての人に、この平和が訪れるように祈ります。
しかし、ここ14節に、もう一つの見逃してはならない一句があります。すなわち、「御心にかなう人々にあるように」ということです。「真の平和は、神の御心を行い、神に喜ばれる人々の上にある」というのです。すなわち、私たちが、真の平和を持つためには、まず神との平和を頂く必要があるのです。神との関係が回復される時、他の全てのものは、祝福され、満たされるのです。すべての祝福の基礎は、神との平和にあるのです(ローマ5章1節)。
三、祝福と恵みに満ちた神の栄光
この年11月の終わりから、エペソ人への手紙を共に学び始めました。まだ、1章1節から1章14節までしか進んでいませんが、「祝福と恵みに満ちた神の栄光」ということを教えられています。
聖書に示された真の神様は、「私たち人間に祝福を与える、祝福の源としての神」であってくださいます。創世記1章27~28節によると、神は、人を創造の華として最後に造られ、「祝福された」とあります。まさに、主なる神は、祝福の源であってくださるのです。そして、エペソ人への手紙1章3節には、「天上にあるすべての霊的祝福をもって私たちを祝福してくださいました」とあり、続く4節には、「世界の基が据えられる前から」とあります。すなわち、世界が創造される前から、父なる神様は、私たちを選び、祝福し、聖なる者とし、子としての身分を与えようとしていて下さったというのです。7節を見ると「このキリストにあって、私たちはその血による贖い、背きの罪の赦しを受けています。これは神の豊かな恵みによることです」とあります。「神の豊かな恵み」という源泉から流れ出した祝福が、「キリストの血による贖い」という管を通って、「罪の赦し」が私にまで届いたのです。それが、「救いの福音」(13節)です。「福音」ユーアンゲリオンとは、「喜びのおとずれ」ということであり、罪のために滅びしかない運命の私たちのために、主イエス・キリストを通して与えてくださった救いという「喜びの知らせ」です。ですから、「救いの福音」と言っているのです。
まさに、クリスマスは、この「祝福と恵みに満ちた神の栄光の福音」の現われなのです。ですから、御使いと天の軍勢は、「いと高き所に、栄光が神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように」と賛美したのです。
(結論) このクリスマスに、そして、迎えます新しい年に、「栄光が、神にあるように。地の上に、平和があるように」と心からの感謝と賛美を主にささげたいと思います。