説教題「あなたの右の頬を打つ者に」
聖書 マタイの福音書5章38~48節
イエス様は山上の垂訓で神の国への招待状を与えてくださいましたが、同時に神の国に招かれた者がなさなければならない新しい神の国の律法を示されました。
① 神の国に入る者として整えられる
それはラディカルであると同時に人の心の内面を問うものでした。例えばイエス様が姦淫の禁止を取り上げて言われるのは、情欲を抱いて女を見る者はだれでも心の中で姦淫を犯したと指摘します。このことが意味することは、イエス様がもたらされる神の国のメンバーなるにはその人の心の中身が整えられなければならないということです。
② 左の頬を差し出せ
上記のイエス様の教えも神の国の成員としての文脈で理解しなければなりません。ここでイエス様は自分が受けたことへの復讐を放棄するだけでなく、さらに進んで相手に協力的な姿勢を示すことを教えます。それは神の国の性質にかなっているのです。それはこの世の国とは徹底的に異なります。神の国は憎しみをもつ敵に対する復讐を捨て、その敵を愛するという者が担う者の集まりなのです。
③ 神の国と十字架のあがない
このような神の国の性質とメシアたるイエス様の地上における行為は完全に一致します。キリストは黙々と十字架の苦難を受け死なれました。その時にキリストは自分を十字架につけた者たちのゆるしを父なる神に願いました。キリストは自分に敵する者ために命をすててくださいました。キリストこそ敵を愛する生き方を全うされ神の国をこの世界に引き入れてくださったのです。わたしたちはそのキリストのみ後に従うことを求められています。もちろんそれは簡単な道ではありませんが、キリストの愛をいただいて少しでも進んで行きたいのです。