説教題「イスラエルの誕生~ヤボクの渡し場で」
聖書 創世記1章24~31節
聖書の中で出てくるイスラエルは国名、民族名ともなっていますがその言葉が最初に登場するのはヤコブがヤボクの川を渡る際に神様と組打ちした時でした。ヤコブの命名は以下のようなことでした。
- ヤコブにとって危機的な状況の中で起こった
ヤコブはおじラバンのもとを去った折に、エサウに再開するはめになりました。きっと自分を殺すに違いないと考えたヤコブは考えるかぎりの方法をつくしてエサウへの恭順を示しますが時間は刻一刻と進んで行きます。そういう状況の中で神様はヤコブにイスラエルの名を与えてくださる出来事が起こったのでした。
- 神と組打ちする結果として与えられた
渡し場に残されたヤコブはそこで神様と組打ちします。その組打ちは夜を徹して行われ、ヤコブ自身もももの関節を外されてしまいぼろぼろになりますが、それでも祝福を求めて神の人にしがみつきました。そのヤコブの気迫に答えて神様はヤコブに祝福として「イスラエル」の名前を与えます。これをもって神が大いなる国民とするとアブラハムに約束した国の名がヤコブに冠せられました。
- 神の契約への忠実さから祝福として与えられた
ヤコブはエサウと会する前に、神に懸命に祈ります。その祈りはアブラハムの召命の時の約束をたてにとって祈りでした。「神様、あなたは祖父アブラハムや父イサクに、そしてわたしにも、わたしたちが祝福となること、大いなる国民となることを約束してくださいましたよね。それならどうぞ助けてください」という祈りでしたが、神のヤコブへのイスラエルの命名はその祈りの答えとも言えるでしょう。神はご自身の約束(契約)に忠実な方であることを示されたのです。
- エサウとの和解
この結果、不思議なことがおこりました。エサウはヤコブを受け入れました。あなたの名はヤコブと呼ばずイスラエルとするという祝福が形となってあらわされたのでした。
神様のご真実はどこまでも続くのです。