礼拝説教 「主の恵みはとこしえまで」 2023年10月15日
聖書 詩篇136篇1~26節
(序)この詩篇は、「主に感謝せよ」で始めて、「天の神に感謝せよ」で終っています。また、「その恵はとこしえまで」が各節ごとに歌われています。
- 感謝への招き (1~3節)
1節、いつでも、どこでも、どんな時でも、主に感謝することは、恵まれる秘訣です。「主はまことにいつくしみ深い」とあるごとく、いつでも主のいつくしみ深い方であることを覚える時に、感謝が溢れます。
「恵」とは、ヘセッドという言葉が用いられ、「変わることのない契約の愛」を意味しています。それに、「とこしえまで」が加えられています。しかも、それが各節に繰り返されています。読んで考えるだけでも、恵みが溢れて来るではありませんか。まして、この詩篇を、声を出して、皆で読むとどうでしょう。もう主の恵みが満ち満ちるではありませんか。
2~3節の「神の神であられる方」「主の主であられる方」とは、主なる神の至高性を示しています。主なる神は、比べ得るもののない大いなるお方です。私たちは、このお方に心からの感謝を込めて「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。主の恵みはとこしえまで」と主に賛美を奉げましょう。
二、創造主への感謝 (4~9節)
4~5節、「ただひとり、大いなる不思議を行われる方に」全能の神であられる方への讃美です。「英知をもって天を造られた方に」全知全能の神がその英知を持って、天地を創造し、これを保っておられるのです。
6節、「地を水の上に敷かれた方に」大地は、海の上に造られた建造物として見られていました。
7節、「大いなる光る物を造られた方に」とは、主なる神が「光りあれ」と光を造り、太陽や月や星を造り、昼と夜を治めるようにされたことを歌っています(8~9節)。コリント人への第二の手紙4章6節をご覧ください。「『闇の中から光が輝きいでよ』と言われた神が、キリストの御顔にある神の栄光を知る知識を輝かせるために、私ために私たちの心を照らして下さったのです」とあります。主は、私たちが闇の中にいたとき、私たちの心をみことばで照らして下さったのです。
三、出エジプトと荒野の導きの感謝 (10~16節)
10~15節には、出エジプトの出来事が簡潔に、力強く歌われています。12節、「力強い御手と伸ばされた御腕をもって」神の直接的な介入と助けを表す表現です。出エジプト記13章3節、9節に「力強い御手で、主があなたがたをそこから導き出されたからである。…力強い御手で、主があなたをエジプトから導き出されたからである」とあります。
さらに詩篇136篇16節には、荒野の旅を導かれたことが歌われています。これについては、出エジプト記13章21~22節をご覧ください。昼は雲の柱が、夜は火の柱が、つねに彼らを導いたことが証しされています。主は、私たちの日々の歩みの中に、常に共にいて、私たちを導き助けていて下さるのです。
四、カナン定着の感謝 (17~22節)
17~22節、カナンの地を征服し、そこを嗣業の地、相続の地として与えられたことへの感謝が歌われています。ヤコブの手紙2章5節をご覧ください。「神はこの世の貧しい人たちを選んで、信仰に富むものとし、神を愛する者に約束された御国を受け継ぐ者とされ多ではありませんか」とあります。私たちは、御国の相続者なのです。ですから、私たちは、世代の聖徒と共に「私たちの国籍は天にあります」と告白することが出来るのです。私たちは、神の御選びに与り、主イエスと共に御国の共同の相続者として頂いているのです。この恵み、この栄光を心から感謝しましょう。
五、神の救いの御業への感謝 (23~26節)
23~26節には、神の救いの御業の総括と感謝が歌われています。
23節に、「私たちが卑しめられたとき」とあります。イスラエルの民が悪戦苦闘しているとき、主は御心に留め、救い出されたことが歌われています。私たちも様々な困難や戦いに遭遇した時、主は、私たちをその御心に留め、助け出してくださいました。
25節を見ると、「すべての肉なる者に」とすべての人間への配慮と供給が歌われています。主は、私たちにすべての必要を備えていて下さるのです。ですから、「天の神に感謝せよ。主の恵みはとこしえまで」と再び天におられる全能の神への感謝と恵みを歌って締めくくっているのです。
(結論)私たちを造り、「光あれ」と私たちの心を照らして、御救いに導き、常に導き助けてくださり、必要な一切を供給してくださる方に、「天の神に感謝せよ。主の恵みはとこしえまで」と心からの感謝を込めて賛美を奉げましょう。