礼拝説教 「復活の朝」2021年4月4日
聖書 マタイ28章1~10節
(序)本日は、主イエスがよみがえられたイースターです。
一、封印された石が動いた
マタイの福音書27章57~66節に、イエスの弟子になっていたアリマタヤのヨセフという金持ちが、主イエスの遺体を引き取り、亜麻布に包んで、自分の新しい墓に丁重に葬りました。女性たちはそれを見届けました。そして、祭司長たちは、ピラトに願い出て、石に封印をして番兵を置きました。
週の初めの日の明け方、マグダラのマリヤと他のマリヤが墓を見に来たというのです。マルコの福音書では、ヤコブの母マリヤとサロメの名が記されています。彼女たちが墓にむかったのは、主イエスに、油を塗りに行こうとしていたのでした。そして、彼女たちは、「墓の入口からあの石をころがしてくれる人が、だれかいるでしょうか」と話し合いながら墓にむかっていました。
1、封印された石
主イエスが葬られた墓は、岩をくり抜いた横穴式の墓であり、墓の入り口は大きな石でふさがれていました。しかもその石には、だれでもが勝手に開けることのないように、ローマの権威のしるしである封印が押されていました。
2、墓を見張る番兵
さらに、それだけでは足らないと思ったのか、墓を見張る番兵を付けさせました。大きな封印された石や見張りの番兵の存在は、弟子たちのしかも女性の弟子たちの力ではとても開けることの出来ない障壁でした。
3、恐れと不信仰の大岩
その上、弟子たちの内には、恐れと不信仰の大岩が横たわっていました。
しかし、主は、黄泉の戸を打ち破って復活されました。
マタイの福音書によると、御使いが天から降りて来て、石をわきへころがし、その上に座ったので、大きな地震が起ったと記されています。そして、御使いは、「ここにはおられません。前から言っておられたように、よみがえられたのです」と、主イエスがよみがえられた事を告げます。そして、「さあ、納められていた場所を見なさい」と墓の中は、空であることを示します。墓の中が空であったことは、主イエスが復活されたことの大きな証拠の一つでした。
そして、御使いは、女性たちに、急いで行って、「イエスは死人の中からよみがえられました。そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれます。そこで、お会いできます」と弟子たちに知らせるように言いました。女性たちは、大喜びで、弟子たちに知らせに行きました。
二、主イエスの顕現
女性たちが、恐れつつも大喜びで弟子たちのところへ知らせに走って行く途中、彼女たちに、主イエスが現われます。主イエスが「おはよう」と声をかけ、彼女たちは、近寄って、御足を抱いてイエスを拝んだのでした。
ヨハネによる福音書では、墓の前で泣いていたマグダラのマリヤにご自身を現わされたことが記されています。また週の初めの日の夕方、ユダヤ人を恐れて戸を閉め、カギをかけていた弟子たちのところに現れ、「平安あれ」と言われたことが記されています。さらに、ルカは、失意のうちにエルサレムを後にし、エマオに帰る二人の弟子に主イエスが近づき共に行かれた事、パンを裂く様子で、主であると分かり、二人の弟子は直ぐエルサレムに引き返したことを記しています。
今も、主は、私たちに近づき、主が復活して、共におられることを明らかに示してくださるのです。復活された主は、ご自身を現わし、悲しみを喜びに、恐れを平安に、失望を希望に変えてくださるのです。
三、ガリラヤに行け
ガリラヤは、弟子たちにとって、
①信仰の回復の場所、
②使命の再認識の場所、すなわち宣教に遣わされる場所、
③常に主の臨在を覚える場所でした。
主は、私たちにも、それぞれのガリラヤ、信仰の回復の場所、宣教に遣わして下さる場所、常に主の臨在を覚える場所を備えていて下さいます。
(結論)復活して、今も、私たちとともにおられる主を見上げつつ歩んでまいりましょう。