説教題「ここに愛があるのです」
聖書 ヨハネの手紙第一4章7~12節
ヨハネの手紙が書かれた時代の教会はグノーシス主義に脅かされていました。グノーシス主義は「この世界は悪である。それに対して霊なる神はこの汚れた世界とはかかわりをもたない。だから神であるキリストが人となってこの世界に来られるはずがない」と説きました。
① 神は愛
当時の教会はこれに対決しなければなりませんでした。神はこの世とかかわらないとするグノーシス主義に対して教会はどう語ったのでしょうか。教会は神は愛であると説きました。神様は超越者でありきよい善なるお方です。しかしそれ以上に神は愛なるお方なのです。この場合の愛という言葉はアガペーという言葉です。
② キリストの愛
神様の愛とは愛する対象のために自分を与える愛です。愛する対象のもとに行って犠牲をはらい、相手を生かし救う愛です。ヨハネは言います。
「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちにいのちを得させてくださいました。それによって 神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、宥めのささげ物として御子を遣わされました。ここに愛があるのです。」
神の愛はおぼろげなものとは違いはっきりとわたしたちに表されるものです。それはキリストの愛です。この世と関わりたくないという神ではなく、愛する一人子イエス・キリストを宥めのささげ物としてこの世に与えてくださり、わたしたちに永遠の命を与えてくださる神です。
③ 互いに愛し合いなさい
そうである時にわたしたちも神の愛にならって互いに愛し合う者となりたいと思います。超越的に上から見下ろすのではなく、愛する対象のために自ら傷つくことをいとわないキリストの愛にならいたいのです。