説教題「主の祈り②」
聖書 マタイの福音書6章9~15節
① みこころが天に行われるように
10節ですが、御国が来ますようにという祈りの後に、みこころが天に行われるように、地でも行われますようにとあります。これは御国が来ますようにのいわば言い換えと言っていいでしょう。神のみこころは、天すなわち神の国で行われることが地上においてもそのとおりに行われることです。それをもって神の国が到来したことになるのです。
そしてその神様が天で行われることは何かといえば神様の慈愛に、満ちたみわざがなされるということです。すなわち心の貧しい者たちや悲しんでいる者に救いといやしと慰めが与えられるということです。彼らに神様の祝福が与えられるということです。イエス様はそのような御国の性質をご自分の言葉と行動をもって示されました。神の国の到来は神の臨在を意味します。その恵みの中に生きる者となるのです。
② 日ごとの糧を、今日もお与えください
この時代に一般の民衆の生活は豊かとはいえませんでした。多くの人々が日ごとの糧を得ることに窮していました。イエス様の目はそういった人々に向けられます。彼らがそのことに思い煩うことなく必要な糧を得られるように祈るようにとおっしゃっておられるのです。
日ごとの糧とは、自分の糧はもちろんですが、同時に「私たちの日ごとの糧」とありますように共に分かち合う、シェアすべきものであることをわたしたちは教えられます。
そういえば5千人の給食の時、イエス様は弟子たちに「あなたがた、あの人たちに食べ物をあげなさい」とおっしゃいましたがそれはその時だけのお言葉ではないでしょう。神の国とは神に日ごとの糧を祈り求め、またその糧を神の国に住まうものが分かち合う所です。わたしたちは日ごとの糧を与えたまえと祈りつつ、そのパンを分かち合うような者とさせていただきたいのです。