説教題「来るべきエリヤ~神のご真実」
聖書 ルカの福音書1章57~80節
聖書においてメシアの到来は預言者エリヤと結びついます。旧約聖書のエリヤは預言者の代表的人物でした。列王記を見るとバアルの預言者とカルメル山で対決するなどそのヒロイックな活躍が記されており、またホレブの山で細き神の御声を聞くというエピソードが知られています。
- 旧約のエリヤ
そして旧約聖書の最後に出てくるマラキ書では終わりの時、主の日に預言者エリヤが神から遣わされるとあります。この預言は新約の時代になっても人々に信じられていました。果たしてエリヤはいつ来るのか。当時の人々の関心の一つだったでしょう。
その解答は新約聖書になされます。ことの起こりはルカの福音書に記されていますザカリヤとエリサベツのお話です。彼らは敬虔な祭司とその妻でしたが子がありませんでした。そのような中、み使いガブリエルが男の子の誕生を告げます。驚くべきことにその子は、「エリヤの霊と力で、主に先立って歩」む器となるというのです(ルカ1章17節)。マラキ書の預言を反映するような言葉ですが、ザカリヤとエリサベツはガブリエルの言葉に従って生まれた子の名前をヨハネと名づけます。
- ガブリエルの預言
ガブリエルに対する不信仰な反応から口を閉ざされていたザカリヤはバプテスマのヨハネが生まれた後、聖霊に満たされ預言を語ります。その預言にはダビデの家から救いがなされること、アブラハムに約束された救いがなされることが含まれており奇しくもマタイの福音書の系図と内容が重なります。
また何よりも幼子ヨハネが預言者エリヤの役割を担う者として、主の前に先立ち、主の道を整える者となることを歌っています。すなわちヨハネこそ人々がメシアの到来にあたって待ち望んでいたエリヤだったのです。これらを聖書は神のあわれみと言っていますが、このような過程を経てついにわれらの主イエス・キリストはご降誕くださるのです。
バプテスマのヨハネはメシヤを迎えるにあたって悔い改め(地上で神に立ち返ること)を人々に語りました。わたしたちもクリスマスを前にして心を整えましょう。
