説教題「羊飼いが聞いた天上の大賛美」
聖書 ルカの福音書2章1~20節
皇帝アウグストゥスの人口調査からルカの福音書のキリストのご降誕の記述が展開します。時の絶対権力者の名前が出ているのは大変象徴的でした。
- 神の子アウグストゥス
ローマ帝国の最高権力者、皇帝アウグストゥスはまさに世界の統治者、支配者、王たる人物でした。また神の子と称され人々の崇敬を集めました。
そのアウグストゥスの考え一つで世界は動きます。住民登録はまさにその一例でナザレのヨセフと身重のマリアはそのためベツレヘムに旅をしなければならなくなりました。多くの人々がごったがえしたベツレヘムでは彼らの泊まる宿もなくついにはイエス様は飼い葉桶に生まれました。
しかし後に知ることは、この世界の王たるアウグストゥスの命令のもとにベツレヘムの汚い家畜小屋に生まれた赤ん坊こそ、待ち望まれた神の国のメシア、真の王たるイエス・キリストでした。
- 羊飼いと天上の大賛美
神が遣わされた真のメシア、イスラエルの王に最初に会うことができたのは羊飼いたちでした。羊飼いの社会的地位は高いとはいえませんでした。ところが栄誉あるメシアの誕生の知らせを聞くのは世界の権力者や賢者ではなく彼らでした。
野宿をしていた羊飼いにみ使いが現れダビデの町で救い主、主キリストが誕生したことを告げます。それに続いて天からおびただしい天の軍勢が現れ神を賛美しました。
「いと高き所で、栄光が神にあるように、地の上で、平和が
みこころにかなう人々にあるように。」
この特別な出来事はまるで天上の世界、神の国の領域が地上に移ってきたようなものでしょう。分かたれていると考えられる天と地が一つに近づくような現象が羊飼いの目の前でおこりました。羊飼いたちは神の国を垣間見たようなことでした。それはメシアの誕生にふさわしい出来事でした。
羊飼いたちはみ使いのことばに従ってみどり子を捜し出し喜んで神をあがめて賛美して帰りました。わたしたちもこのクリスマスにこの羊飼いのように主をあがめて賛美し、証しする者とさせていただこうではありませんか。