説教題「人の子のような方が~ダニエルの預言」
聖書 ダニエル7章9~14節
神の御心に反して偶像礼拝と不従順に走ったことのゆえに捕囚の憂き目にあったエルサレムでしたが、預言者たちは回復とメシアの到来を預言します。その一人はイザヤでイスラエルの苦役の終わりをつげメシアの来ることを預言しましたが、もう一人の預言者も同様です。預言者ダニエルはバビロン捕囚からペルシャの時代にかけて活動をしました。
- 人の子の預言
ダニエルの預言は歴史を見据えたものでした。7章では4つの獣が描かれます。それは勃興する国々を表します。バビロニア、ペルシャ、ギリシャ、ローマという風に言われますが最終的には大言壮語する国ローマに対する神のさばきがなされます。
そういう中でダニエルは「年を経た方」すなわち神が御座に着くのを見、そこに一人の子が天の雲に乗って登場し、神から主権と栄誉と国を預かるのを見ます。この人の子こそは来るべきメシアでした。そして大言壮語する獣は滅ぼされるのです。
イスラエルの民はこの預言にもとづいてメシアの到来を期待しました。そして後にイエス様は人の子と称され、大祭司の前でもダニエルの預言をもってご自身がメシアであることを明らかにされました。キリストは預言書に記されたまことのメシア、救い主であったのです。
- 70週の預言
人の子の預言とは別にダニエル書にはもう一つ有名な預言があります。70週と言いますと490日ですがユダヤ人はこれ490年と解釈しました。新約のイエス様の時代はちょうどその時期にあたります。
そのような中イエス様はこの地上に来られ言われるのです。「時が満ち、神の国が近づいた、悔い改めて福音を信じなさい」。イエス様が告げられた時とは神の時です。メシアがこの地上に来られ神の国が到来する終わりの日です。この世の支配者からイスラエルが解放される喜びの日です。イエス様はその日が来たことを宣言して公活動に入られました。そして「時が満ちた」言われるお方は、敢然と十字架の道を進まれるのでした。
イエス様のお言葉を聞いたイスラエルの人びとは、イザヤやダニエルの預言を心に覚えながら心から神の国への期待をもって応答しました。クリスマスが近づく中わたしたちもこのイエス様を仰ぐ者とさせていただきたいのです。