礼拝説教「復活の希望に生きる」2024年3月31日

聖書 コリント人への手紙第一15章1~28節

 このところでパウロは福音として最も大切なこととして伝えたいことが二つあると言います。一つはキリストの十字架の死であり、もう一つは復活です。

一、復活の事実

  その復活についてはパウロの時代にも500人以上の証言者がいたことが記されています。しかしある者たちは死者のよみがえりを信じず、それ故にキリストの復活を否定する者がいました。それに対してパウロは敢然と反論します。彼らの言うように復活がなければキリスト者の福音は根拠のないものとなりますが、しかし、事実として「キリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられ」たのです。

二、復活による新創造

  人類の転換点はこのキリストの十字架と復活でした。それまで罪に支配された世界はこの機を境にして新しくなりました。神はこの世界に復活の命を吹き入れてくださったのです。

  そのことを表す言葉として「眠った者の初穂」という言葉があります。キリストのよみがえりはキリストお一人のできごとではありません。キリストの十字架のあがないと復活のみわざによって、キリストを信じるすべての人々が終わりの日によみがえる道を開いてくださっているのです。

三、復活の希望

  そしてこのよみがえりのキリストによってもたらされるのは神のみ国の完成です。キリストはご再臨においてこの世界を新しくしてくださり、キリストに属するわたしたちを栄光の体に変えて神のみ国に住まわせてくださり、この世のあらゆる悪しき力を打ち滅ぼし、キリストの治められる王国を父なる神に引き渡され、最後は死をも滅ぼしてくださるのです。この希望に生きることのできる信仰者はなんと幸いなことでしょう!