元旦礼拝「転換点を迎えて」2023年1月1日
聖書 ネヘミヤ記9 章 1 1~12節
聖句「あなたは私たちの先祖の前で海を裂き、彼らは海の真ん中の乾いた地面を渡りました。追っ手は、奔流に呑み込まれる石のように、あなたが海の深みに投げ込まれました。昼は雲の柱の中にあって彼らを導き、夜は火の柱の中にあってその行くべき道を照らされました。」(ネヘミヤ記9 : 1 1~12節)
(序)明けましておめでとうございます。今年の教団標語が「転換点を迎えて一過去への感謝、現在への確信、未来への指針ー」ですので、掲げられている標語と聖句からお話し致します。
一、転換点を迎えて
ネヘミヤやエズラの時代の人々と同様に、私たちも、世界的かつ歴史的に大きな転換点に立っています。
2020年以来、新型コロナによる世界的パンデミックを経験し、さらには、2022年2月には、ロシアのウクライナ侵攻によって、全世界がその影響を受けました。まさに、現在私たちは、こうした状況によって、様々な方面において、思想の枠組みの劇的変換、パラダイムシフトがいやおうなしに進められています。
ネヘミヤとエズラは、同時代の人物であり、バビロン捕囚から解放されて、エルサレム神殿を再建し、崩れていた城壁を建て直すのに貢献した人々です。ペルシャのキュロスは、紀元前539年にバビロンを破り、ペルシャ帝国を建て上げ、翌年紀元前538年ユダヤ人たちに対して、バビロン捕囚から解放し、帰還と神殿の再建を許す命令を出し、ユダヤ人たちは、エルサレムの神殿を再建しました。しかし、城壁はなお崩れたままであり、周りの異民族が絶えず妨害をしてくるという困難に直面していました。
エズラやネヘミヤの時代、祖国に帰還を許されたが、なお様々な困難に直面していた時代であり、エズラやネヘミヤは、民を励まして信仰に立たせ、新しい時代へと進み行かせました。
二、信仰に立ち、神に祈り、事を進めるネヘミヤ
そのような中で、ペルシャのアルタクセルクセス王の給仕役であったネヘミヤは、アルタクセルクセス王の許しを得、ユダヤの総督としての命を受け、エルサレムに帰り、城壁を修復し、困難の中にある帰還民を励まし、信仰に立てせたました。
1章11節をご覧ください。ネヘミヤは真剣に、アルタクセルクセス王が、彼をエルサレムに帰還させ、城壁を修復させてくださるようにと神様に祈ります。その祈りに答えて、2章8節、「わが神の恵みの御手が私の上にあったので、王はそれをかなえてくださった」とあります。神様が祈りに答え働いてくださったのです。ネヘミヤはエルサレムに帰還し、城壁の修復を開始します。
片手に身を守る武器を持ちつつ城壁の修復工事を行い、やがて、6章15節、52日の月日を経て城壁の修復は完成します。そして、8章において、彼らが仮庵の祭りを祝った様子が記されています。ネヘミヤとエズラは「悲しんではならない。喜びなさい」と民に命じています。8章10節にでは、「主を喜ぶことは、あなたがたの力だからだ」と民を励ましています。帰還した神の民は、集まって、聖書のみことばを朗読し、主なる神を礼拝しました。9章では、レビ人たちが、神をほめたたえ、過去においてなされた神の御業を感謝し、自分たちと先祖の罪を告白し、情け深くあわれみ深い神の恵みを覚えて祈りをささげ、信仰の決意を言い表し、民は盟約を結んでいます。
三、過去への感謝、現在への確信、未来への指針
ネヘミヤやエズラの時代の人々と同様に、私たちも、新型コロナやロシアのウクライナ侵攻という世界的かつ歴史的に大きな転換点に立っています。
このような時、私たちは、ネヘミヤやエズラが行ったように、神様の過去の御業を覚えて感謝し、同じ主なる神が、今も祈りに答えて必ず御業を行ってくださるという信仰の確信に立ち、未来への指針すなわち神のみこころを求めて前進する必要があります。
転換点に立って、ある人は、戸惑い、踏み出すことに躊躇し、あるいは元来た道に帰ろうとします。しかし他の人は、大きな変化に、自らの小ささを覚えつつも、未来に向かって勇ましく立ち、一歩を踏み出します。
かつて新聞に、一枚の絵が掲載された。それは荒野の分かれ道に一人の青年が立ち、意を決し、一歩踏みだそうとしています。
私たちは、大きな変化という転換点に立って、主に寄り頼み、信仰の一歩を踏み出しましょう。
本日のみことばにあるように、主は、前に立ちふさがる海の水を裂いて、道を開き、神の民を救い出されました。また昼は雲の柱、夜は火の柱をもって、行くべき道を照らされました。主は、あらゆる困難のど真ん中に道を開き、絶えずみことばとご自身の臨在をもって私たちを導いてくださいます。
第1コリント10章13節。真実の主は、困難のど真ん中に、脱出の道を備えてくださいます。
(結論)私たちは、あらゆる困難のど真ん中に道を開き、みことばと臨在をもって私たちを導いてくださる主に信頼し、この新しい年を踏み出して参りましょう。
<祈り>
慈愛と恵みに満ちておられる天の父なる神様。
御名を崇めて、賛美いたします。
一年の初め、まず御前に出て、あなたを礼拝できる恵みを感謝いたします。主よ。あなたは、私たちに約束のみことばを与え、常に共にいて、困難のど真ん中に道を開き、雲の柱、火の柱をもって導き、絶えず前進させてくださいますから感謝します。
始まりましたこの一年、あなたの臨在とみことばによる導きを信頼し、絶えず御顔の輝きの中を歩み続けるものとして下さい。
信仰の創始者であり、完成者である私たちの主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。アーメン