礼拝説教「先頭を進む契約の箱」2022年1月16日
聖書 ヨシュア記3章1~17節
(序)本日は、ヨシュア記3章からお話するように導かれています。
一、新しい時代への転換点
イスラエルにとって、ヨルダン川を渡るという事は、一つの大きな転機、新しい時代への転換点を意味していました。それは、彼らの将来を決定づける転機でありました。いよいよ約束の地に入って約束の地を獲得して行く前に、彼等はこの転換点を経験する必要がありました。
今、私たちは、ポスト・コロナあるいは、ウイズ・コロナと呼ばれる新しい時代に突入しています。ヨルダン渡河が、イスラエルの民にとって、その後の前進を決定づける重要な転換点であったように、私たちにとっても、この時代の転換点を迎えています。これまでポスト・モダンという事が言われてきましたが、新型コロナの世界的感染拡大は、このポスト・モダンの傾向をさらに急速に加速してしまいました。そのような意味で、今私たちは、新しい時代の転換点に立っています。今や私たちは、私たちにとってのヨルダン川を渡って、新しい時代に突入しようとしているのです。
二、契約の箱を先頭に新しい時代への前進
1節の「翌朝早く起き」の一句は、ヨルダン渡河を前にした民の緊張感を伝えています。彼らは、一足飛びに河を渡ったのではありません。また、渡れるような状況ではありませんでした。彼らは、まず三日間ヨルダン川を前に宿営しました。その事の意義は何だったでしょうか。それは、第1に、民の信仰の一致が与えられるためであり、第2に、主なる神様に対する民の信仰が強められるためでした。すなわち、現状の困難を乗り越える前に、彼ら自身の思いが一つとなり、主に対する信頼が確固たるものとなる必要があったのです。そして、彼らは、主なる神の臨在を覚え、自らを清くしました。そのような準備の後に、彼らは、信仰の一歩を踏み出したのです。「渡ろうとして…出発した時、…祭司たちの足が、水際の水に浸ると…」(14~15節)とあります。まさに、彼らは信仰をもって、ヨルダン渡河の第一歩を踏み出したのです。この信仰の一歩無くして事は始まりません。
私たちも、主が与えて下さるビジョンに向けて、信仰の一歩を踏み出しましょう。
三、信仰による前進と主の大いなる御業
民の目の前に、ヨルダンの洪水が押し寄せていますか。困難が横たわっていますか。前進は不可能に見えますか。その時こそ、神がその全能を表わして下さる時です。17節をご覧ください。「主の契約の箱を担ぐ祭司たちは、ヨルダン川の真ん中の乾いたところにしっかりと立ち止まった。イスラエル全体は乾いたところを渡り、ついに民全員がヨルダン川を渡った」(17節)とあります。民全体がヨルダン川を渡ってしまうまで、契約の箱を担ぐ祭司たちはヨルダン川の真ん中に立ち続けました。すなわち、民がヨルダン川を渡り切るまで、神の臨在がともにあり、彼らを守ったのです。
私たちも、主に信頼し、主が与えて下さるビジョンに向けて、信仰の一歩を踏み出しましょう。私たちが主を信頼し一歩踏み出す時に、主は大いなる御業を行ってくださいます。
使徒の働き16章9~12節をご覧ください。パウロは、バルナ場と分かれ別々に進んで行かねばならなかったとき、しかも、進む道がことごとく閉ざされる中で、マケドニア人が助けを求めている幻を夢で見て、マケドニアに渡り、ピリピ伝道は、開始されたのです。パウロは、どんな困難な中にも、主の導きに従い、前進して行ったのです。
(結論)この年、私たちも、信仰によって前進し、主の大いなる御業を見させていただきましょう。