礼拝説教「すべての隔てを取り除くお方~キリスト」2024年6月9日


説教題「すべての隔てを取り除くお方~キリスト」

聖書 エペソ2章11~22節

 パウロはエペソの教会の人々に救いのすばらしを教えています。それはキリストのみわざによって聖徒たちがイスラエルの民と共に神の家族、神の宮とされていることです。

  • イスラエルの民と異邦人

 ユダヤ人であるパウロはイスラエルがどのようなものかを自覚していました。イスラエル人は選ばれた契約の民であり神の祝福を持ち運ぶ使命がありました。それに比して異邦人は無割礼の者であり、約束の契約については他国人であり、この世に望みもなく、神もない者でした。そこには大きな隔てが存在していたのでした。

  • キリスト・イエスにあって近い者に

 しかし、かつては遠く離れていたイスラエルと異邦人も、今ではキリスト・イエスにあって、キリストの血によって近いものとなりました。これには背景がありました。イスラエルは契約の民でしたが、神に背き続ける歴史の中で、祝福を世界にもたらす目的からそれてしまい、異邦人を拒むようになってしまいました。ですけれどもキリストはそのイスラエルのために十字架のみわざによって贖いを全うしてくださり、イスラエルだけでなく異邦人も、新しい契約の共同体の内に入れてくださいました。その結果イスラエルと異邦人は近い存在となりました。キリストは二つのものを一つにし、隔ての敵意を打ち壊し律法を廃棄してくださったのです。

  • 神の家族、神の宮

 隔てを取り除かれた異邦人はイスラエルの民と共にキリストにあって神の家族となりました。そこにはユダヤ人もギリシア人もありません。キリストにある聖徒は神の宮、すなわち神殿となりました。神殿は天と地が一つとなり神がお住みになるところです。以前はシオンの山であったところが今は私たち自身が神殿とされているとは何と幸いなことでしょうか。