信仰による新しい前進

礼拝説教「信仰による新しい前進」2024年1月7日

聖書 イザヤ書43章19節

(序)本日は、2024年教会に与えられました標語よりお話しいたします。

一、新しい事を行うとの主の約束

読んで頂いた一段は、「新しい出エジプト」という預言の箇所です。

かつての出エジプトという奇跡の救いの業よりもさらに大きな回復の業を行ってくださるという預言です。ですから、「新しい出エジプト」と呼ばれています。ですから、18節にあるように、「先のことに心を留めるな、昔のことに目を留めるな」と命じておられるのです。

そして19節の「見よ、わたしは新しいことを行う」という約束の言葉が続いています。しかも、「今それが芽生えている」というのです。口語訳や聖書協会共同訳では、「今やそれは起ころうとしている」と意訳的に訳していますが、新改訳2017では、直訳的に「今それが芽生えている」と訳しています。同じヘブル語ツァマフは、詩篇147篇8節に「山々に草を生えさせ」とか、イザヤ書61章11節に「地が芽を出し、…種を芽生えさせ、…正義と賛美を…芽生えさせるからだ」に用いられています。今それは芽を出し、既に、現在グングンと伸びつつあるというのです。

二、主の約束を受け取る準備

 続いて「あなたがたはそれを知らないのか」と主は言われます。へブル語で「知る」というのは、知的に頭で知るということではなく、具体的体験的に「知る」ということです。ですから、「今や、わたしが新しいことを行いつつあることを、身をもって知りなさい」ということです。

私は、この聖句を味わう中で、農夫が土地を耕し、種を蒔き、育て、収穫を持ち望む姿を思い浮かべました。主は、新しい御業という奇跡の種を蒔かれます。その種がどの様な地に落ちるかによって、収穫の豊かさが違って来ます。主イエス様も、四つの種の譬えを話しておられます(ルカの福音書8章5~15節)。良い地に蒔かれた種は、「成長して百倍の実を結んだ」というのです。私たちの心の土地を深く十分に耕しましょう。「立派な良い心でみことばを聞いて、それをしっかりと守り、忍耐して実を結びます」(ルカの福音書8章15節)と言うのです。良く耕された地こそ、多くの収穫を期待することが出来るのです。まず私たちの心を十分に耕し、主の約束を受け取る準備をしたいと思います。

三、主が行ってくださる約束の御業

主は、「荒野に道を、…荒れ地に川を設ける」と約束して下さっています。まずは、荒野に道を設けて下さるというのです。荒野は、まさに道なきところです。ヘブル語で道のことをデレフと言いますが、「踏みしめる」というような意味から派生しています。イザヤ書35章8節には、「そこに大路があり、その道は『聖なる道』と呼ばれる」とあります。「大

路」英訳では、an highway とあり、the way of holiness とあります。

そこには贖われた者だけが入ることが出来るというのです。そこには、喜びの歌があり、頭には喜びの冠が輝き、楽しみと喜びがついて来るというのです。流れみなぎる川に沿って、一筋の大路(Highway)が開かれます。「大路(マスルール・ヴァデレフ)」と訳されたマスルールという言葉は、「投げ出す」「積み上げる」「盛り上げる」という意味をもった言葉が使われています。石を取り除け、土を盛り上げて、特別に造られた道です。それは、聖なる道(The Way of Holiness,)と呼ばれるのです。

次に、「荒れ地に川を設ける」と言われる主の約束について見たいと思います。イザヤ書44章3~5節をご覧ください。3節に、恵みの雨が注がれ「豊かな流れ」が地を潤すことになぞらえて、豊かな主の御霊の注ぎについての約束が語られています。主は、どんなに渇き切った私たちの魂にも、聖霊を注いで下さいます。どんなに潤いのない世界にも、ご自身の御霊を注いで信仰を生き返らせて下さいます。私たちの魂は、御霊により、御言葉を通して、日々に養われないならば、ただちに萎れてしまいます。

バックストン先生のノーツには、この3節について、「主は、その必要をご自身に求める者のために、また、キリストのためになす全ての働きのために、さながら王のような自由の御霊を与えて下さいます」と記しています。4~5節は、主の御霊を注がれた結果について語られています。待望の雨が降り、干からびた地が潤され、草木が青々と茂り、元気に勢い良く生育している様子が描かれています。その様に主なる神の御霊が注がれます時に、恵みは溢れ、私たちは信仰と望みに生かされてまいります。

(結論)もう一度、イザヤ書43章19節に戻っていただきたいと思います。主なる神様は、「必ず、わたしは荒野に道を、荒れ地に川を設ける」と言われます。確かな、主のお約束です。この年、信仰をもって新しい前進へと踏み出して参りましょう。